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別名 オメガ3とも呼ばれる「n-3系脂肪酸」。聞きなれない栄養素ではあるけれど、代表的な成分である「DHA」や、「EPA」と言った単語なら聞いたことがあるママさんもいるんじゃないかしら?
「n-3系脂肪酸」なんて、難しそうな名前を聞くと、抵抗を感じる人も少なくないと思うけど、実は、赤ちゃんにとっても、ママにとっても、とても重要な栄養素。さらに言えば、現代の日本人にとって、常に不足しがちな栄養…
このページでは、そんな「オメガ3」の働きや、効果、そして妊婦さんに推奨される摂取量や、摂取における注意点などをまとめてご説明しちゃいます!「n-3系脂肪酸、オメガ3ってなに?」って方も、是非ご参考に♪

この記事の目次
オメガ3(n-3系脂肪酸)って何?
「n-3系脂肪酸」と難しい名前が付いていますが、要するに、「脂」の一種。「脂」という漢字を見ただけで、嫌悪感を覚える女性も多いかと思いますが、人間が正常に活動するために、「脂質」はとても重要な栄養素で、炭水化物、たんぱく質と並び、3大栄養素と呼ばれています。
そんな、「脂」にも、実はいろいろな種類があるわけで、「n-3系脂肪酸」をご説明する前に、まずは、「脂の種類」について、下の表を使ってご説明したいと思います。
脂質の分類表
脂質 | |||
---|---|---|---|
飽和脂肪酸(動物性) | 不飽和脂肪酸(植物性) | ||
一価飽和脂肪酸 | 多価飽和脂肪酸 必須脂肪酸 |
||
オメガ 9 | オメガ 3 | オメガ 6 | |
牛肉・豚肉の脂 ラード・バターなど |
オリーブオイル キャノーラ油など |
青魚等 えごま油・アマニ油など |
ベニバナ油 コーン油など |
「脂」は、大きく分けると2種類に分けられます。1つが、お肉やバターなどに代表される動物性「飽和脂肪酸」で、もう一方が、植物性の「不飽和脂肪酸」。
どちらかと言うと、女子の敵としてイメージされるのは、動物性の「飽和脂肪酸」の方で、ここでご紹介するオメガ3は、「不飽和脂肪酸」に分類される脂質。主に、アマニ油や、えごま油といった植物由来の脂や、魚油に含まれるDHAやEPAなどにの栄養素のことなんです。

「多価不飽和脂肪酸」に該当する オメガ3は、人間の体内では作ることができない成分で、食物から摂取する必要がある「必須脂肪酸」と呼ばれているの!
必須脂肪酸には、ここでご紹介するオメガ3と、同じく植物性の不飽和脂肪酸に該当する n-6系脂肪酸(オメガ6)が挙げられるんだけど、それぞれ特徴や、働きが異なるから理解が必要!とくに、オメガ6と、オメガ3の摂取量はバランスが大事と言われているのよ!
オメガ3の働きと効果について
体内では作り出すことができない必須脂肪酸に数えられる、オメガ3(n-3系脂肪酸)は、主に、食用調理油由来のα-リノレン酸と、魚介類由来のEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)などが代表的な成分。
厚生労働省の「脂質」に関する資料では、血中中性脂肪値の低下、不整脈の発生防止、血管内皮細胞の機能改善、血栓生成防止作用など、生活習慣病の予防効果があると発表されているだけじゃなく、脳の形成や、発育を促す働きも多く報告されています。
オメガ3や、オメガ6など、必須脂肪酸が脳の形成に重要?!
オメガ3の代表格「DHA」と、同じく必須アミノ酸である オメガ6(アラキドン酸)は、脳の形成・発育を促す働きをしてくれる重要な栄養素とされています。
とくに、赤ちゃんの脳が、急速に成長すると言われる妊娠後期頃から、生後2年位までの間は、摂取を意識したい栄養素。
2016年9月14日に開催された、第24回脳の世紀シンポジウム「食と脳」にて、東北大学大学院医学系研究科の大隅 典子教授による「脳と脂質の良い関係~発生発達に必須の高度不飽和脂肪酸」の講演でも、以下のような事が発表されているの。
脂質は脳に重要な栄養素
そもそも脳は非常に油っぽい組織であり、乾燥重量の60%が脂質によって構成されている。体を健康に維持するためにどんな栄養素も欠けてはならないことはいうまでもないが、脳にとってもそれは同様である。そして脳の構成物質の60% が脂質である以上、やはり脂質は重要な栄養素であるといえる、と大隅氏。脳の神経細胞には、他の体を構成する細胞と大きな違いがあることについても知って欲しいという。
・・・(中略)・・・
「脳の構造」や「脳の神経構造」に脂質は重要ものだが、さらに、エネルギー源としても脂質は重要な役割を果たしているし、細胞内のシグナルとしても脂質は働いている。
特に脳のエネルギー、シグナルとして重要とされる脂質が、オメガ3脂肪酸といわれる「DHA」や「アラキドン酸」である、と大隅氏は解説。
・・・(中略)・・・
脳の脂質の中でも多くを占めるDHAやアラキドン酸の多価不飽和脂肪酸が、脳にとって非常に重要であることが知られているが、それは脳の海馬では生涯にわたって神経細胞が生み出されていて、このことが記憶学習や情動機能に関わり、この神経新生に多価不飽和脂肪酸が欠かせないからである。
・・・(中略)・・・
脳の神経細胞は年齢を重ねても生み出されるが、胎児期や乳幼児期の栄養状態が悪いと、その機能が十分に働かないこともあり得る。
JAFRA 日本食品機能研究会: 脳の発達に欠かせない、多価不飽和脂肪酸~第24回脳の世紀シンポジウム「食と脳」

脳の 60%が脂質で出来ていたなんて知らなかったわね!
よく、DHAや、EPAを食べると、頭が良くなるって聞くけど、こう言った理由だったのね!やっと、謎が解けた… けど、どのくらい摂取すれば良いのかしら?
年齢別 n-3系脂肪酸の推奨摂取量について
妊婦さんが摂取すべき「n-3系脂肪酸」の量について、厚生労働省が発表している、「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」を基に、ご説明します。
下の表にある、「目安量」が、摂取すべき目安の量、「推定摂取量」は、大半の方が通常の食事だけで摂取できていると考えられる量、そして、「耐容上限量」は、この値を超えると、過剰摂取と判断されるボーダーラインとなります。
n-3系脂肪酸の食事摂取基準 g/日(女性)
年齢 | 推定摂取量※1 | 目安量 | 耐容上限量 | |
---|---|---|---|---|
妊婦 | 初期 | – | 1.8 | – |
中期 | – | |||
後期 | – | |||
授乳婦 | – | 1.8 | – | |
18 ~ 29 (歳) | 1.88~1.94 | 1.6 | – | |
30 ~ 49 (歳) | 1.81~1.83 | 1.6 | – | |
50 ~ 69 (歳) | 1.96~2.22 | 2.0 | – |
※1 推定摂取量は、厚生労働省が発表している「国民健康・栄養調査結果の概要(平成26年)」の、
栄養素等摂取量(1歳以上、女性、年齢階級別)でのデータを参考値としています。

厚生労働省が発表している、n-3系脂肪酸の食事摂取基準と、国民健康・栄養調査結果を参考にすると、全ての年代において、十分なオメガ3の摂取が出来ているって話になっちゃうけど、実は、安心できないの…。
n-3系脂肪酸には、食用調理油由来のα‒リノレン酸と、魚介類由来のEPA,DPA,DHAなどがあるんだけれど、現代日本人の場合、摂取しているn-3系脂肪酸の 6割近くは、「α‒リノレン酸」と言われていて、魚介類由来のEPA,DPA,DHAなどは、常に不足状態にあるんですって!
日本人の食生活の変化、特に、「魚離れ」が問題だと言われているのよ!
n-3系脂肪酸の過剰摂取と、赤ちゃんへの影響
n-3系脂肪酸については、厚生労働省が発表する「食事摂取基準」でも、耐容上限量が明確に設定されていません。だからと言って、どんなに体に良いと言われる栄養素であっても、摂りすぎや、偏った摂取は逆効果。
する人もいないと思うけど、用法・用量を無視して、DHA・EPAを含むサプリメントを飲んだり、えごま油をガブ飲みするなんて事はしないように(笑)食事摂取基準にある通り、1日1.6g~2.0gを目安に摂取するように心がけるのが重要です。
ただ、オメガ3については、過剰摂取よりも、むしろ摂取不足の方が心配。オメガ3は、葉酸と同じく熱に弱く、また、酸化しやすいなどの性質を持つので、摂取が難しい面があるのも不足しやすい原因なんです。
若い世代は DHA・EPAが不足している?!
食の欧米化が進み、魚離れが進む若い世代の人は、オメガ3の中でも特に、青魚に多く含まれているDHAや、EPAの摂取不足が懸念されています。
「食事摂取基準」と、「国民健康・栄養調査結果概要」を見比べると、オメガ3の推奨摂取量はクリアしているので、「どういう意味??」って思うかもしれませんが、実は、内訳が重要。現代人が摂取しているオメガ3の約 6割が、食用調理油由来のα‒リノレン酸で、ここで問題視されている、DHAや、EPAなど、魚介類由来のオメガ3が不足している状態なんです。
α‒リノレン酸も、体内に取り込まれると、一部EPAや、DHAに変換されはしますが、現状の摂取量を考慮しても、EPAや、DHAの推奨摂取量を満たせる量ではなく、また、体内で生成することができない栄養素の為、DHA・EPAの摂取が課題とされています。
以下の表は、厚生労働省が推奨する DHA・EPAの目標摂取量と、年齢別の推定摂取量をまとめたものですが、各世代とも、目標摂取量を大きく下回っていることが挙げられます。
望ましい EPA 及び DHA の摂取量(g/日)と、年齢別推定摂取量
年齢 | EPA・DHA 目標摂取量 |
推定摂取量 | |
---|---|---|---|
DHA | EPA | ||
18 ~ 29 (歳) | 1.0 以上 | 0.043 | 0.145 |
30 ~ 49 (歳) | 1.0 以上 | 0.063 | 0.163 |
50 ~ 69 (歳) | 1.0 以上 | 0.205 | 0.380 |
※厚生労働省による「脂質」表1「主な脂質摂取量の50パーセンタイル値
(性及び年齢階級別):平成17年及び18年国民健康・栄養調査参照

比較的に、お魚を多く食べてるだろう 50代~60代であっても、目標摂取量を全然満たせていないのね…。18歳~49歳なんて、全然摂取出来ていないって言っても良いくらいの量…
DHAや、EPAが、赤ちゃんの脳の発育や、脳神経の生成に重要だって言われているのに、これはちょっと心配…。やっぱり、お魚を一杯食べなくちゃ…。
妊婦さんは、お魚を食べるのを注意しないといけない?!
オメガ3、とくに、不足しているDHAや、EPAを補うために、「お魚を一杯食べなくちゃ!」って思ったママさんも多いかと思いますが、妊婦さんは、お魚を食べるにあたって、ちょっと注意が必要。それが、お魚に含まれる「水銀」。
以下は、厚生労働省が発表している「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」の一文です。
魚介類は自然界の食物連鎖を通じて、特定の地域等にかかわりなく、微量の水銀を含有していますが、その含有量は一般に低いので健康に害を及ぼすものではありません。
しかしながら、一部の魚介類については、食物連鎖を通じて、他の魚介類と比較して水銀濃度が高いものも見受けられます。
近年、魚介類を通じた水銀摂取が胎児に影響を与える可能性を懸念する報告がなされています。
この胎児への影響は、例えば音を聞いた場合の反応が 1/1,000 秒以下のレベルで遅れるようになるようなもので、あるとしても将来の社会生活に支障があるような重篤なものではありません。妊娠している方又は妊娠している可能性のある方(以下「妊婦」という。)は、次の事項に注意しつつ、魚介類を摂食するよう心がけてください。
厚生労働省: 妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項

水俣病の原因にもなった「水銀」と聞くと、とても恐くなってしまうと思うけど、注意しなくちゃいけないお魚と、食べる量・頻度さえ気をつければ、大丈夫よ!
詳しくは、厚生労働省が発表している以下の資料を参考にしてみてね!
これからママになるあなたへ。お魚について知っておいてほしいこと
水銀が心配とか、お魚が苦手というママさんは、DHAやEPAが配合された葉酸サプリを選択するのが効率的で、安心ね★ただ、魚介類は、EPA・DHAだけじゃなく、良質なたんぱく質や、カルシウムを豊富に含む、栄養源!
厚生労働省によると、魚介類を全く食べなかった集団では、高度不飽和脂肪酸(DHAや、EPAのこと)が欠乏し、小児の知能低下や、成人の心臓病リスクが上昇することが報告されていると発表しているんだから…。
n-3系脂肪酸を多く含む食べ物って、どんなの?
必須脂肪酸である オメガ3をタップリ摂取するには、どんな食べ物を食べたほうが良いの?ってことで、n-3系脂肪酸を多く含む食材をご紹介したいと思います。
繰り返しの説明になってしまうけど、オメガ3には、食用調理油由来のα‒リノレン酸と、魚介類由来のエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)がありますが、とくに現代人に不足しているのは、EPAや、DHAなど、お魚系の栄養素。
「これからママになるあなたへ。お魚について知っておいてほしいこと」を参考に、水銀摂取量に注意をしながら、意識的にお魚を食べて、たっぷり赤ちゃんに栄養を送りましょう!

ちなみに、水銀量が多いお魚の特徴としては、小魚を食べる大型・中型のお魚よ! 要は、食物連鎖の上位の方にいる、イルカや、クジラ、マグロ、カジキ、キンメダイなどの種類は、ちょっと意識してね★
まぁ、イルカやクジラが食卓に並ぶご家庭も少ないとは思いますが(笑)
一般的なご家庭で多く食べられている、鮭や、アジ、サバ、イワシ、サンマ、カツオなどは、水銀量については、特に心配はいらないと、厚生労働省も発表しているんだけど…
n-3系脂肪酸を多く含む食品
食品 | n-3系脂肪酸量 (100gあたり) |
---|---|
えごま(乾燥) | 23.70 |
クジラ(本皮・生) | 11.20 |
くるみ | 8.96 |
あんこう(きも・生) | 7.68 |
なたね油 | 7.52 |
調合油 | 7.52 |
さば(加工品・開き干し) | 6.78 |
大豆油 | 6.10 |
さば(加工品・しめさば) | 6.03 |
しろさけ(すじこ) | 5.83 |
くろまぐろ(脂身・生) | 5.81 |
くじら(うねす・生) | 5.80 |
あゆ(養殖・内臓・焼き) | 5.80 |
あゆ(養殖・内臓・なま) | 5.80 |
しろさけ(イクラ) | 4.70 |

という訳で、n-3脂肪酸(オメガ3)を多く含む食材のご紹介でした!
ちなみに、オレンジ色でマーキングした食材は、水銀摂取量に注意した方がいい食材、グリーンにマーキングした食材は、水銀量がそこまで心配いらない食材なんですが…
実は、サバをはじめとする青魚や、鮭などには、アニサキスという寄生虫がいる可能性もあるから、生で食べる時は注意しなくちゃいけないの…。
アニサキスは、お魚の内臓に寄生する寄生虫で、生で食べると、胃や腸に侵入して腹痛・おう吐など、食中毒を引き起こす悪い奴…
DHAやEPAを摂取しなくちゃいけないけど、お魚を食べるときは、水銀量だったり、食中毒にも注意が必要… こういう息苦しさが妊婦にはあるのよね…
ちゃんとお魚は食べるとしても、やっぱり、DHAやEPAが配合された、葉酸サプリを飲むのが手軽で安心なんじゃないかしらねぇ…
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